球団職員による Twitter 上での炎上事件に関する私見 (長文)

20日に、球団から「当社社員によるツイッター上での発信についてのお詫び」というアナウンスがあった。
不適切な発言があった、としか記載されていないが、この事件について紹介し、私見を述べたいと思う。



11月19日の遅くから20日の未明にかけて、SNS のライオンズファン界隈で炎上騒ぎがあった。

背景を大まかに説明する。

① ライオンズの球団職員であるT氏が、Twitter で以下の発言をした

 1) FA移籍しなかった選手を称賛し、FA移籍する選手を悪者扱いする雰囲気に疑問を呈した
 2) FA移籍で選手をどう送り出すかというのもチームが作り出せるコンテンツ、と発言
 3) メットライフドームの改修について、改修のあとは回収と発言
 4) ある他球団を愛すると発言

② このT氏は、T氏自身がプロフィールに記載していたURLから、ライオンズの球団職員で飲食事業に関わるチームの管理職であることが明らかとなる

③ 1)~4) の発言にSNS上の多数のライオンズファンが反発。
20日未明の時点で、T氏はいくつかの発言の削除 (※) や、プロフィールの修正を繰り返していた

④ 20日午後、T氏は Twitter アカウントを削除した

※なおこのとき削除されたT氏の発言に、野球ファンを「勉強もろくにしてこなかったやつ」と卑下するものがあった、という指摘がある。これは私自身は確認できなかった。
 1)~4) は私自身が確認しており、日時を記録したスクリーンショットも保持している。
 氏がアカウントを削除したため公開はしないが、どなたかから上述の 1)~4)の内容に異議があった場合は必要に応じて公開に応じる。



この事件はやや難しい。自身の発言にどんな問題があったか、T氏はおそらく今も正確に理解できていないのではないか。
私見としては、「T氏の発言そのものに問題はない」と考える。SNS 上に投稿された尊重されるべきT氏の意見であり、著しい問題があるとは考えられない。

ではなぜT氏の発言がSNS上で炎上したのか。これを理解するには、併せていくつかの背景を理解する必要がある。
今回ファンの反応は大きく分けて以下の2つであったと分析する。


(1) 失望

近年のライオンズ選手のFAによる相次ぐ移籍は、ライオンズファンを深く傷つけた。
特に終生ライオンズ宣言をしたうえで移籍した岸と、残留を基本線と発言して他球団に移籍した浅村の移籍には、ライオンズファンは悲しみと怒りと焦燥が混じったような混乱で応えた。
またそのファン心理を理解されない他球団ファンの無神経で無礼なSNS上の指摘により、SNS上のライオンズファンは悲しみ、怒り、呆れた。

ただこのライオンズファンのFA制度に対する感情は、ライオンズというクラスタの中では理解されうるものという暗黙の了解があった。
「制度で認められている」という杓子定規な指摘では到底覆しようもない複雑な感情は、少なくともライオンズファンの中では大なり小なり共有されうるという期待があった。

ところが本件ではライオンズの球団職員、いわばライオンズ内部の人間が、他球団ファンがSNS上で無慈悲にライオンズファンに浴びせるような発言と同様の発言をしたことに、ライオンズファンは深く失望したのだ。
ライオンズファンの悲しみや怒り焦燥はライオンズ自身にも理解されており、ライオンズ自身も解決すべくもがき苦しみ、それでも結果として選手が流出している現実に、ファンと共に悲しみ焦っている。
直接的ではないまでも、ライオンズファンにはそのような期待があったのだと考える。

こういった期待に対し、T氏は非常にドライな意見を、当たり前のようにSNS上で発言した。前述のようにこれ自体は明確に問題と言えるものではない。尊重されるべきT氏の個人的な見解だ。
だがすべての評価は期待との乖離で決まる。T氏の率直な意見は、『ライオンズファンに期待されているライオンズ球団職員の考え』とあまりに乖離していたのだ。
期待との極端な乖離は怒りを生む。おそらくスポーツビジネスを修めたというT氏もそこは理解できるのではなかろうか。


(2) ライオンズの職員であることを公開していた事、その公開のしかた

前述のように、T氏は自身がライオンズの職員であることを公開していた。Twitter の氏のアカウントのプロフィールに記載されているURLにアクセスすれば、T氏がライオンズの職員であることは誰にでも判った。おそらくスポーツビジネスの世界で働くT氏にとって、ライオンズの職員であることを公開することは氏のキャリアを世間に示すために重要なことだったのだろう。

ただそのプロフィールの書き方は非常に拙かった。氏のプロフィールは、スポーツビジネスに携わる者であることしか書かれていなかった。書かれているURLにアクセスして、初めてライオンズの職員であることが判ったのだ。
前述の発言を Twitter で見たライオンズファンはT氏のプロフィールを読み、『ああ、どこぞのスポーツチームの職員がFAについて気にくわない事を書き散らしている。それは我々ライオンズファンには理解されない意見だ』と思い、どこのチームの職員だろうとURLをクリックすると、なんと我らがライオンズの職員であると判る。この驚きが前述の失望をブーストさせた。

またURLでライオンズ職員であることを示しながらも、プロフィール本文にはライオンズについて全く触れていない事も良い結果にならなかった。ライオンズファンには、T氏は『ライオンズ職員』ではなく『スポーツビジネスに携わる者』であることを主としているように見えたのだ。 T氏にとってのライオンズは、自身のキャリアを世に示すための従、いわば道具であるように見えたのだ。そういった者がFA移籍というライオンズファンにとって非常にセンシティブな問題に軽い発言をしたことに、ライオンズファンは怒りを覚えたのだ。


以上2点が、私が考える今回の炎上事件の概要である。
もちろん私はいちライオンズファンであり、視点も立ち位置もファン側の視点に非常に近い。 T氏や氏に同調する人には別の意見があることだろう。
だが結果として炎上は発生し、T氏はアカウントを削除したのだ。 球団はお詫びをアナウンスしたのだ。
スポーツビジネスを修めたとする者がかくもファン心理に疎いというのは、正直いちファンとして首をかしげるところではある。



最後に、これはライオンズファンではなく私個人の意見を一つ追記する。これは他のライオンズファンから指摘された様子はなく、私の個人的な見解の色が特に濃い意見となる。

私自身、日米でショービジネスに携わった経験がある。残念ながらスポーツビジネスには無縁だが、いわゆるショービズについては一家言ある。


(3) ライオンズを使って自身をショーアップするな

ショービズの世界に於いて、ショーアップする対象というのは常に明確だ。もちろんライオンズで言えばショーアップする対象はライオンズのチームであり、ライオンズの選手である。チームや選手、またそのプレイを観るためにファンはメットライフドームに足を運ぶのだ。ライオンズが行うべき施策はチームや選手を注目させ、その魅力を理解させることであり、収益というのはその結果得られるものだ。
ショーアップする対象の認識というのはショービズの一丁目一番地の話であり、あらゆる施策に於いて常に意識されうるべきものだ。

そういった組織に所属する者が、ライオンズの職員であることを明かしながら、ライオンズでも選手でもない、あろうことか自分自身をショーアップする発言をした。少なくとも一連のツイートを読んで、私は非常に強くそれを感じた。 また多くのライオンズファンに同意してもらえる確信がある。 これはプロフィールに「※発言は個人の見解」と一言書けばエクスキューズになるような軽い話ではない。自分自身をショーアップしたいのであれば、ライオンズの職員であることは隠すべきなのだ。
どこかの球団で働いている、スポーツビジネスを修めた某の発言、であれば何の問題もなかったのだ。

ライオンズという職場を使って自分自身をショーアップする、などという虫の良い話はショービスの世界では許されない。 スポーツビジネスの世界では許されているのだろうか? T氏のキャリアに興味があるのは、T氏とT氏を採用しようとする者(一時的)だけだ。 その独善的な世界にチームを利用するのは、スポーツビジネスの常識なのだろうか?

スポーツビジネスの常識なのかT氏の独善なのかは分からないが、私はこれを一切支持しない。一体何をやっているんだ。恥を知れ。
先に「T氏の発言そのものに問題はない」と書いた。アレは嘘だ。大問題だ。


ただ実際のところ、ライオンズはこの点に非常に緩い組織だ。 今回の事件はT氏個人の姿勢の問題ではなく、ライオンズという球団が潜在的に持つ問題なのかもしれない。

たとえばファイターズ戦の前に杉谷選手に対して行われる「アナウンス弄り」。あれは客観的に面白く、評価する人も多い。TVが取り上げたことで多くの人に知られる効果はあっただろう。
だが、あれはライオンズというチームや選手をショーアップする活動だろうか。 そんなはずはない。ライオンズという組織の、ライオンズをショーアップするという意識が希薄である証拠の一つだ。 あのウグイス氏だけが問題とは思わない。あれは本来、球団のしかるべき地位の者がストップをかけなければならない活動なのだ。あれだけいる球団職員の誰もあの活動に問題提起をしないこと、あるいは提起されているかもしれないがそれを適切に処理できていないこと。 それがT氏の行為を生んでしまった土壌なのかもしれない。
T氏の炎上事件はT氏を処分して解決する問題ではない。ライオンズという組織が全体で襟を正すべき問題なのだ。



なおこの炎上事件だが、ちょうど盛り上がりきる時間帯に吉川選手のトレード情報がSNSを流れ、かなり炎上が緩和された。このトレードがなかったら、もっと深刻な炎上となっていたのではないかと考える。ぜひT氏にはライオンズを、特に吉川選手をショーアップする活動をしてほしい。

我々ファンの期待は、球団が本来進むべき方向とは食い違っていない。ファンの反応を必要以上に模索する必要も調査する必要もない。本来あるべき方向に進んで頂くだけで何の問題もないと考える。

来シーズンのライオンズに、心から期待したい。がんばれライオンズ。
皆様がライオンズと共にあらんことを。
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